今回の日記はダイビングで自分の身に起きたちょっとしたアクシデント。最近は世界一周してる子の中でもその途中でダイビングのライセンスを取る人が増えているので、何かの役に立てばと思ったんだけど、そこまで面白い大事故でもないのであしからず
ハブロックアイランドまでの船旅は快適だった。インドの乗り物は飛行機以外は人を詰め込めるだけ詰め込むのだが、アンダマンのフェリーは観光色が強いせいか、座席の数と同じ人数の人しか乗っていない。例え自分の座席があってもわざわざ表の甲板で本を読んだり写真を撮ったりして過ごす人も多かったので、クーラーの効いた客室は深夜のレストランみたいにガランとしていた
出発して約6時間後の夕方にハブロックアイランドに到着。翌日はゲストハウスと安いダイビングショップを探すのに丸一日を費やした
一日島を歩き回って全てのタイビングショップを周ったのにも関わらず、どこもほとんど同じような料金だったため、一番近くの「Andaman bubble diving club」にした。こういうのを骨折り損のくたびれもうけというのではないか
料金は3days 6diveで13000ルピー 約2万円。思っていたより高い。こういう時は日本と比べると安いと思って納得する事にしている
俺に付いたインストラクターはインド人の女子ザン。インド人と言っても髪は海でなびくサンゴのように真っ赤だし、体中タトゥーだらけだし、サリーなんて着てるの一度も見たことないし、性格もオープン過ぎてとてもインド人とは思えない。
英語も訛りのない綺麗な英語を話すんだけど、せっかちな性格のためか話すのがめちゃくちゃ早い。CNNを2倍速で聴いてるようなもので、会話の5秒おきにfu○kの単語が聴こえてくるくらい顔に似合わず言葉が汚いお嬢さま。そして背中には「竜和」の謎のタトゥー・・・
ダイビングは早速翌日から始まり一日2本をこなしていく。一日目も二日目も特に問題なくこなしていったが、3日目にエントリーしてからトラブルが発生した
実はエントリーする前の機材のチェックの段階から少し違和感を感じていた。レギュレーター(息を吸うためにくわえるマウスピースのようなもの)をくわえて空気をチェックした時に少し圧力が足りないような気がした。それでも地上では十分な空気の供給量があったしゲージも問題なく200以上をさしていたので、そのままOKをだして海へとエントリーした
潜行が始るとやはりレギュレターに違和感を感じる、出てくる空気の量が少ないような気がする。それでもやってやれない事は無いだろうとその時は思ったし、ここで俺が上がるとパディもインストラクターも全員浮上しないといけなくなると思うと、機材を変えに浮上するのも億劫に思えそのままどんどん潜行していった
海の底は綺麗だった。地上から見ると何処も同じなのに底は風になびく花畑のように海流に身をまかせてゆらゆら揺れる七色のサンゴたち、鮮魚店で売られてる魚とは違う生きた魚、海の深さで減衰して細くなった太陽の光がそれらをうっすらと照らし出す。
そんななんともいえない美しい光景に興奮してあちこち動き回っているうちにパディとザンが遥か頭上にうんと小さく見えた
多分BCGに空気が残ってて、それがちょっと浮上した弾みに膨張して本人の意思とは別にどんどん上に浮上してしまったのだろう。それをとめるためにザンが必死に足を引っ張って引き戻そうとしてるようだった
本来なら離れないように彼女達を追いかけて俺も浮上するべきだったのは分かっていたんだけど、海底から離れたくなかった俺はそれを無視して一人で海底探索を続けた
そしてその時から先ほどから感じていたレギュレターの違和感は更に大きなものへとなっていた。つまり息が吸いにくいという事だ。恐らく水中で動きすぎて体が酸素を通常時より必要としたのと、水深が深くなった分だけ酸素の絶対必要量が増えたせいだとは思うんだけど、大きく息を吸うと空気がちゃんと出てこない
ゲージはいつも5分置きに確認するようにしてるんだけど、この時だけはすぐにゲージに目をやった
すると酸素の残り残量を示すゲージが0~70の間を行ったり来たりしている。さっき確認したときは70残ってたのに・・・さすがの俺も焦った。どうしよう???
そこで俺はまずレギュレターの異常を疑って、予備のレギュレターに切り替えたんだけどやはり空気があまり出てこない、これはいよいよ酸素切れか?
上を見上げると水面に移った太陽の光の塊があんなに小さく見えてる、こんなに水面を遠く感じたのは初めてだった
もしパディが近くにいれば酸素をもらいながらゆっくりと浮上できるのに・・・でも、今更そんな事考えたって意味がない
今はこの状況をどう切り抜けるかだ
急浮上は最後の手段。理由は省くがダイビングの急浮上は危険な行為で、深さと潜行時間によっては死を招く
そのため通常浮上時にはゆっくり浮上して水深5Mで一旦停止、3分待機してからゆっくり浮上する、これが自分の身を守るためのルールだ
だからこのまま一気に水面まで急浮上するのはためらったし、暫く考えた
誰もいない水中で周りを見渡しながら考えた、目に映るのは青だけ。綺麗なサンゴも面白い顔した魚も今は目に入らない
その間にも息はどんどん苦しくなってくる、どうしよう??
この焦りが心拍数を早め無駄に酸素を消費するのを手伝ってどんどん息苦しくなってくる
ゲージは相変わらず行ったり来たりを繰り返し壊れているのか酸素が切れているのかわからない。どっちにしろこれ以上水中にいることはできないと判断した俺は水深と潜行時間を確認した
ダイブコンピューターがないため正確な時間は把握できないけど、恐らく30分程度で水深が15M
一気に浮上してもリスクはまだ少ない
そこでBCGには空気をいれず、自力だけで緊急浮上する事にした
体を垂直にして大きく息を吸いながらゆっくりと水中をキックする
大きく息を吸うと空気の出なさ具合を再度認識させられ余計苦しく感じるがそれもあと少しの辛抱
どのくらい進んだのか全然わからないけど、あんなにちいさかった水面に移った太陽の光の塊が少しずつ大きくなってくる。安堵の念が押し寄せてくる
水面に勢いよく飛び出した瞬間目の前が真っ白になった、太陽の光が眩しかった。太陽の光をこんなにまぶしく感じたのは初めてだ
レギュレターを吐き捨て思いっきり息を吸った。肺の端から端まで空気で満たされていくのがわかる。もやのかかっていた世界がワイパーでもかけた様にクリアーになっていく
結局のところはっきりとした原因はわからなかった。BCGもレギュレターもゲージも酸素ボンベを付け替えてチェックしたが異常は見つからなかった
恐らく酸素ボンベのバブルがきちんと開けられていなかったのだろうという事だった。しかし、それではゲージ異常の説明がつかない
どちらにせよ俺がパディから離れなかったら今回のような緊急浮上を余儀なくされることもなかったのだ
以前あるベテランダイバーが言っていた
ダイビングで死ぬ奴は必ず何かしらルールを破っていると、ルールさえ守っていれば絶対に事故は起らないと
俺は今回パディから離れると言う決定的なルール違反を犯しこういう顛末にいたった。それを見過ごしたザンも自分が悪かったと謝っていた。このダイビングで俺の本数は23本目になるんだけど、潜ることに慣れ初めて少し緊張感が無くなっていたんだと思う
少なくとも今回のアクシデントは今後のための凄くいい経験になった。悪い経験は必ず自分を生かしてくれる、俺はそう信じたい
実はこの後も俺が緊急浮上したため長めの休憩は取ったものの、ダイビングを続けました 笑
それとこれはフィリピンでの経験なんだけど、潜る前の機材チェックで残圧が50しか残っていなかった事が2回もあった
そのまま潜っていたら10分足らずで戻ってくる羽目になっていただろう。日本ではまず無いだろうけど、海外ではこういう事も度々あるし、パディチェックなんてやらないダイブショップがほとんどなので、潜る前の機材チェックは人任せにせず自分で念入りにする事をお勧めします
ハブロックアイランドまでの船旅は快適だった。インドの乗り物は飛行機以外は人を詰め込めるだけ詰め込むのだが、アンダマンのフェリーは観光色が強いせいか、座席の数と同じ人数の人しか乗っていない。例え自分の座席があってもわざわざ表の甲板で本を読んだり写真を撮ったりして過ごす人も多かったので、クーラーの効いた客室は深夜のレストランみたいにガランとしていた
出発して約6時間後の夕方にハブロックアイランドに到着。翌日はゲストハウスと安いダイビングショップを探すのに丸一日を費やした
一日島を歩き回って全てのタイビングショップを周ったのにも関わらず、どこもほとんど同じような料金だったため、一番近くの「Andaman bubble diving club」にした。こういうのを骨折り損のくたびれもうけというのではないか
料金は3days 6diveで13000ルピー 約2万円。思っていたより高い。こういう時は日本と比べると安いと思って納得する事にしている
俺に付いたインストラクターはインド人の女子ザン。インド人と言っても髪は海でなびくサンゴのように真っ赤だし、体中タトゥーだらけだし、サリーなんて着てるの一度も見たことないし、性格もオープン過ぎてとてもインド人とは思えない。
英語も訛りのない綺麗な英語を話すんだけど、せっかちな性格のためか話すのがめちゃくちゃ早い。CNNを2倍速で聴いてるようなもので、会話の5秒おきにfu○kの単語が聴こえてくるくらい顔に似合わず言葉が汚いお嬢さま。そして背中には「竜和」の謎のタトゥー・・・
ダイビングは早速翌日から始まり一日2本をこなしていく。一日目も二日目も特に問題なくこなしていったが、3日目にエントリーしてからトラブルが発生した
実はエントリーする前の機材のチェックの段階から少し違和感を感じていた。レギュレーター(息を吸うためにくわえるマウスピースのようなもの)をくわえて空気をチェックした時に少し圧力が足りないような気がした。それでも地上では十分な空気の供給量があったしゲージも問題なく200以上をさしていたので、そのままOKをだして海へとエントリーした
潜行が始るとやはりレギュレターに違和感を感じる、出てくる空気の量が少ないような気がする。それでもやってやれない事は無いだろうとその時は思ったし、ここで俺が上がるとパディもインストラクターも全員浮上しないといけなくなると思うと、機材を変えに浮上するのも億劫に思えそのままどんどん潜行していった
海の底は綺麗だった。地上から見ると何処も同じなのに底は風になびく花畑のように海流に身をまかせてゆらゆら揺れる七色のサンゴたち、鮮魚店で売られてる魚とは違う生きた魚、海の深さで減衰して細くなった太陽の光がそれらをうっすらと照らし出す。
そんななんともいえない美しい光景に興奮してあちこち動き回っているうちにパディとザンが遥か頭上にうんと小さく見えた
多分BCGに空気が残ってて、それがちょっと浮上した弾みに膨張して本人の意思とは別にどんどん上に浮上してしまったのだろう。それをとめるためにザンが必死に足を引っ張って引き戻そうとしてるようだった
本来なら離れないように彼女達を追いかけて俺も浮上するべきだったのは分かっていたんだけど、海底から離れたくなかった俺はそれを無視して一人で海底探索を続けた
そしてその時から先ほどから感じていたレギュレターの違和感は更に大きなものへとなっていた。つまり息が吸いにくいという事だ。恐らく水中で動きすぎて体が酸素を通常時より必要としたのと、水深が深くなった分だけ酸素の絶対必要量が増えたせいだとは思うんだけど、大きく息を吸うと空気がちゃんと出てこない
ゲージはいつも5分置きに確認するようにしてるんだけど、この時だけはすぐにゲージに目をやった
すると酸素の残り残量を示すゲージが0~70の間を行ったり来たりしている。さっき確認したときは70残ってたのに・・・さすがの俺も焦った。どうしよう???
そこで俺はまずレギュレターの異常を疑って、予備のレギュレターに切り替えたんだけどやはり空気があまり出てこない、これはいよいよ酸素切れか?
上を見上げると水面に移った太陽の光の塊があんなに小さく見えてる、こんなに水面を遠く感じたのは初めてだった
もしパディが近くにいれば酸素をもらいながらゆっくりと浮上できるのに・・・でも、今更そんな事考えたって意味がない
今はこの状況をどう切り抜けるかだ
急浮上は最後の手段。理由は省くがダイビングの急浮上は危険な行為で、深さと潜行時間によっては死を招く
そのため通常浮上時にはゆっくり浮上して水深5Mで一旦停止、3分待機してからゆっくり浮上する、これが自分の身を守るためのルールだ
だからこのまま一気に水面まで急浮上するのはためらったし、暫く考えた
誰もいない水中で周りを見渡しながら考えた、目に映るのは青だけ。綺麗なサンゴも面白い顔した魚も今は目に入らない
その間にも息はどんどん苦しくなってくる、どうしよう??
この焦りが心拍数を早め無駄に酸素を消費するのを手伝ってどんどん息苦しくなってくる
ゲージは相変わらず行ったり来たりを繰り返し壊れているのか酸素が切れているのかわからない。どっちにしろこれ以上水中にいることはできないと判断した俺は水深と潜行時間を確認した
ダイブコンピューターがないため正確な時間は把握できないけど、恐らく30分程度で水深が15M
一気に浮上してもリスクはまだ少ない
そこでBCGには空気をいれず、自力だけで緊急浮上する事にした
体を垂直にして大きく息を吸いながらゆっくりと水中をキックする
大きく息を吸うと空気の出なさ具合を再度認識させられ余計苦しく感じるがそれもあと少しの辛抱
どのくらい進んだのか全然わからないけど、あんなにちいさかった水面に移った太陽の光の塊が少しずつ大きくなってくる。安堵の念が押し寄せてくる
水面に勢いよく飛び出した瞬間目の前が真っ白になった、太陽の光が眩しかった。太陽の光をこんなにまぶしく感じたのは初めてだ
レギュレターを吐き捨て思いっきり息を吸った。肺の端から端まで空気で満たされていくのがわかる。もやのかかっていた世界がワイパーでもかけた様にクリアーになっていく
結局のところはっきりとした原因はわからなかった。BCGもレギュレターもゲージも酸素ボンベを付け替えてチェックしたが異常は見つからなかった
恐らく酸素ボンベのバブルがきちんと開けられていなかったのだろうという事だった。しかし、それではゲージ異常の説明がつかない
どちらにせよ俺がパディから離れなかったら今回のような緊急浮上を余儀なくされることもなかったのだ
以前あるベテランダイバーが言っていた
ダイビングで死ぬ奴は必ず何かしらルールを破っていると、ルールさえ守っていれば絶対に事故は起らないと
俺は今回パディから離れると言う決定的なルール違反を犯しこういう顛末にいたった。それを見過ごしたザンも自分が悪かったと謝っていた。このダイビングで俺の本数は23本目になるんだけど、潜ることに慣れ初めて少し緊張感が無くなっていたんだと思う
少なくとも今回のアクシデントは今後のための凄くいい経験になった。悪い経験は必ず自分を生かしてくれる、俺はそう信じたい
実はこの後も俺が緊急浮上したため長めの休憩は取ったものの、ダイビングを続けました 笑
それとこれはフィリピンでの経験なんだけど、潜る前の機材チェックで残圧が50しか残っていなかった事が2回もあった
そのまま潜っていたら10分足らずで戻ってくる羽目になっていただろう。日本ではまず無いだろうけど、海外ではこういう事も度々あるし、パディチェックなんてやらないダイブショップがほとんどなので、潜る前の機材チェックは人任せにせず自分で念入りにする事をお勧めします
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