翌朝俺はカメラマンのマスジット共にガントクの町から8キロほど離れた滝へ向った。観光局は歩いてける距離ではないと言っていたが、実際往復16キロなんて誰でも歩ける距離だ。シェアタクシーを使えば片道数十ルピーでいける距離をわざわざ歩く必要がどこにあるんだと言いたかったのだろうけど、俺がハイキングがしたいんだと言ったら納得してくれた
実はスッキムエリアはヒマラヤもある事からトレッキング目的で来るツーリストがほとんどなのだ。俺もその一人だった
だがガントクの街でいろいろと調べていくうちに分かった事は、一人でのトレッキングが禁止されている事。必ず二人以上でガイドの同伴が必要なのだ。特にスッキムエリアの中国の国境に近いところや、更に北の方には特別なパーミッドが必要なのだ
スッキムエリアに入るにはパーミッドが必要なんだけど、それは近くの町で簡単に取れるし金もかからない。しかし、更に奥のエリアに入るには特別なパーミッドが必要だし、それはかなり高額な料金になるという話だ
ガイドにパーミッド、これらをツアー会社でアレンジしてもらうと一日のコストが3000~4000ルピー(5000円程度)にも上るという。さらにコースにもよるが平均で7~10日以上のコースが殆どなので、インドでは考えられない高額な費用がかかってしまう。故に諦めるしかなかったのだ
だからと言ってここまで来て何もしないで引き上げるのも、金と時間の無駄になるという以外にも、氷河を抱いたヒマラヤがあっさりと遠ざかっていくのが後ろ髪を引かれる思いだった
そこで禁止されていないトレックロード以外のところを歩き回ってやろうかとおもっだのだ。思いついたのが適当な距離で目的地を決めて、そこまで歩いていくと言うだけのもの
殆どが舗装された道路で、通常の登山やトレッキングみたいな面白さは無いだろうけど、それでもヒマラヤを眺めながら歩くのも悪くないと思ったの
その最初の試みが街から往復16㌔の滝まで歩いていくと言うものだった。マスジットが写真をどう撮るかも見てみたかったので彼の事も誘った。往復で歩いていく事も伝えたが、その方がいろんな被写体と出会えるので言って了解してくれた
予想通りではあったが、舗装道路をただ歩くのは面白くもないし大した被写体も発見できなかった。マスジットも殆どシャッターを切っていなかった
滝に着いたのは約2時間後。あまりに人工物が多すぎて自然の景観は拝めなかった
彼がフルートを聴きたいと言っていたので持ってきていた。ちょっとした広場で吹いているとインド人が観光客が10人前後集まってくる。15分前後聴くと飽きて去っていき、また暫くすると他のインド人観光客が集まって来て聴いていく。時間が経つと去っていきまた新たに他のインド人が集まってくる。自分の音で人の流れを作り出しているような気がして面白かった。たとえ暇つぶしだったとしても演奏で人の足を止める、これはとても大切な事
晴れていたためか温度も高く音も安定していた。最後のインド人が「ありがとう甘いメロディーを」と言ったのを最後に俺たちも帰ることにした
翌日は郊外にあるリムテックモナストリー(修道院)へ
片道26キロあったので行きはシェアタクシーを使い、帰りは歩いて帰ってくることにした。マスジットは前日のウォーキングで40歳の体に堪えたのか俺が歩いて帰ってくると言ったらついて来なかった
モナストリー自体は景色が良くて、ヒマラヤ山脈を見渡せると言う以外は面白いことは無かった
リムテックは谷を一つ越えた先にあるので、帰りは一度谷まで山を下り、そこからもう一度高度を上げる必要があった。とはいえ、登山に比べれば勾配も緩いし、ランニングシューズでも十分なくらい歩きやすかった
遠いな・・・
翌日は最初に訪れるはずだったペリンに向うことにした。既にガントクには5日近く滞在していたので良い頃合でもった。ペリン行きのシェアタクシーにのり約6時間の道のり。午後には到着した
ますます近くに見えるカチュンジャンガ
標高は2100Mとガントクより500M高いせいか昼間でも日陰はかなり寒い
地球の歩き方に載っていた町はこのペリンとガントクだけだったので、ペリンもそこそこ大きな町だと思っていたのだが、町というよりは村。人が生きていくのに最低限の物しかないにも関わらず、ホテルとレストランがジャングルで絡み合って競うように根を張ってる植物のように乱立している。それなのに民家らしい民家は見当たらないし、ホテルの数の割りには観光客は少なく、日本のバブルのころに一時的に流行った観光地のような雰囲気がわびしさを一層引き立てている
世界三位の高さを誇るカンチュンジャンガを近くで拝む以外ははっきり言って何も無い
俺は早速トレッキングの目的地を探すためにゲストハウスのスタッフに尋ねてみることにした
彼が勧めてくれたのがここから100k近く離れたターシディングの町まで歩いていって来いと言うものだった
今までは2キロ以上距離があるとすぐに歩ける距離じゃないと言われ、乗り物を使った移動を勧められるのにうんざりしていただけに、この男は中々話の分かる男である
最後に歩くのが嫌ならシェアジープもあるけどと付け加えるところがまたいい。あくまで歩く事を前提で話が進んでいる
俺はすっかりその提案を気に入ってしまい、早速次の日から出発する事にした
一日目はケチャパリレイクを目指して約30キロの行程
殆どが舗装された道で面白くないが迷う事はないし、途中にミニ売店みたいな物がちょこちょこあり、事前に水やら食料をたくさん用意しなくてすむので荷物もさほど重くはならない
朝早く出発して着いたのが夕方だったがさほど疲れはない。ケチャパリレイクの入り口付近には数件のゲストハウスがあったがチェックインする前に湖の方に行ってみた
ケチャパリレイクは仏教の聖地の一つで、仏教徒にとっては大きな意味がある湖だという事だ。湖は高くない山に囲まれ、山間に落ちかけた太陽光を反射し、その周りを取り囲むようにタルチョがはためいていた
湖には中程まで小さな橋が掛けられていて、僧侶や一般の観光客、皆それぞれ思い思いに湖に向って手をあせている光景がなんともまた聖地らしかった
翌日はユクソムまで。約4時間の山道をトレッキング
午後には着いて翌日はターシリングまで半日ほど歩く予定だったのが、ユクソムのゲストハウスがあまりに居心地が良すぎて滞在が伸び、結局パーミッドの期限ギリギリまで滞在。そのまま慌ててペリンまで荷物をピックアップしにトンボ帰りし、シリグリまで戻るのであった・・・・・
実はスッキムエリアはヒマラヤもある事からトレッキング目的で来るツーリストがほとんどなのだ。俺もその一人だった
だがガントクの街でいろいろと調べていくうちに分かった事は、一人でのトレッキングが禁止されている事。必ず二人以上でガイドの同伴が必要なのだ。特にスッキムエリアの中国の国境に近いところや、更に北の方には特別なパーミッドが必要なのだ
スッキムエリアに入るにはパーミッドが必要なんだけど、それは近くの町で簡単に取れるし金もかからない。しかし、更に奥のエリアに入るには特別なパーミッドが必要だし、それはかなり高額な料金になるという話だ
ガイドにパーミッド、これらをツアー会社でアレンジしてもらうと一日のコストが3000~4000ルピー(5000円程度)にも上るという。さらにコースにもよるが平均で7~10日以上のコースが殆どなので、インドでは考えられない高額な費用がかかってしまう。故に諦めるしかなかったのだ
だからと言ってここまで来て何もしないで引き上げるのも、金と時間の無駄になるという以外にも、氷河を抱いたヒマラヤがあっさりと遠ざかっていくのが後ろ髪を引かれる思いだった
そこで禁止されていないトレックロード以外のところを歩き回ってやろうかとおもっだのだ。思いついたのが適当な距離で目的地を決めて、そこまで歩いていくと言うだけのもの
殆どが舗装された道路で、通常の登山やトレッキングみたいな面白さは無いだろうけど、それでもヒマラヤを眺めながら歩くのも悪くないと思ったの
その最初の試みが街から往復16㌔の滝まで歩いていくと言うものだった。マスジットが写真をどう撮るかも見てみたかったので彼の事も誘った。往復で歩いていく事も伝えたが、その方がいろんな被写体と出会えるので言って了解してくれた
予想通りではあったが、舗装道路をただ歩くのは面白くもないし大した被写体も発見できなかった。マスジットも殆どシャッターを切っていなかった
滝に着いたのは約2時間後。あまりに人工物が多すぎて自然の景観は拝めなかった
彼がフルートを聴きたいと言っていたので持ってきていた。ちょっとした広場で吹いているとインド人が観光客が10人前後集まってくる。15分前後聴くと飽きて去っていき、また暫くすると他のインド人観光客が集まって来て聴いていく。時間が経つと去っていきまた新たに他のインド人が集まってくる。自分の音で人の流れを作り出しているような気がして面白かった。たとえ暇つぶしだったとしても演奏で人の足を止める、これはとても大切な事
晴れていたためか温度も高く音も安定していた。最後のインド人が「ありがとう甘いメロディーを」と言ったのを最後に俺たちも帰ることにした
翌日は郊外にあるリムテックモナストリー(修道院)へ
片道26キロあったので行きはシェアタクシーを使い、帰りは歩いて帰ってくることにした。マスジットは前日のウォーキングで40歳の体に堪えたのか俺が歩いて帰ってくると言ったらついて来なかった
モナストリー自体は景色が良くて、ヒマラヤ山脈を見渡せると言う以外は面白いことは無かった
リムテックは谷を一つ越えた先にあるので、帰りは一度谷まで山を下り、そこからもう一度高度を上げる必要があった。とはいえ、登山に比べれば勾配も緩いし、ランニングシューズでも十分なくらい歩きやすかった
遠いな・・・
ますます近くに見えるカチュンジャンガ
標高は2100Mとガントクより500M高いせいか昼間でも日陰はかなり寒い
地球の歩き方に載っていた町はこのペリンとガントクだけだったので、ペリンもそこそこ大きな町だと思っていたのだが、町というよりは村。人が生きていくのに最低限の物しかないにも関わらず、ホテルとレストランがジャングルで絡み合って競うように根を張ってる植物のように乱立している。それなのに民家らしい民家は見当たらないし、ホテルの数の割りには観光客は少なく、日本のバブルのころに一時的に流行った観光地のような雰囲気がわびしさを一層引き立てている
世界三位の高さを誇るカンチュンジャンガを近くで拝む以外ははっきり言って何も無い
俺は早速トレッキングの目的地を探すためにゲストハウスのスタッフに尋ねてみることにした
彼が勧めてくれたのがここから100k近く離れたターシディングの町まで歩いていって来いと言うものだった
今までは2キロ以上距離があるとすぐに歩ける距離じゃないと言われ、乗り物を使った移動を勧められるのにうんざりしていただけに、この男は中々話の分かる男である
最後に歩くのが嫌ならシェアジープもあるけどと付け加えるところがまたいい。あくまで歩く事を前提で話が進んでいる
俺はすっかりその提案を気に入ってしまい、早速次の日から出発する事にした
一日目はケチャパリレイクを目指して約30キロの行程
殆どが舗装された道で面白くないが迷う事はないし、途中にミニ売店みたいな物がちょこちょこあり、事前に水やら食料をたくさん用意しなくてすむので荷物もさほど重くはならない
朝早く出発して着いたのが夕方だったがさほど疲れはない。ケチャパリレイクの入り口付近には数件のゲストハウスがあったがチェックインする前に湖の方に行ってみた
ケチャパリレイクは仏教の聖地の一つで、仏教徒にとっては大きな意味がある湖だという事だ。湖は高くない山に囲まれ、山間に落ちかけた太陽光を反射し、その周りを取り囲むようにタルチョがはためいていた
湖には中程まで小さな橋が掛けられていて、僧侶や一般の観光客、皆それぞれ思い思いに湖に向って手をあせている光景がなんともまた聖地らしかった
翌日はユクソムまで。約4時間の山道をトレッキング
午後には着いて翌日はターシリングまで半日ほど歩く予定だったのが、ユクソムのゲストハウスがあまりに居心地が良すぎて滞在が伸び、結局パーミッドの期限ギリギリまで滞在。そのまま慌ててペリンまで荷物をピックアップしにトンボ帰りし、シリグリまで戻るのであった・・・・・
0 件のコメント:
コメントを投稿