俺はハブロック島で少しだけ有名になっていた
一つはハブロック島の観光客の殆どが白人で、さらにその白人の殆どがイスラエル人。だからただ一人の東アジア系は結構目立つ。
そしてもっとも大きな理由は俺が暇を見つけてはフルートを吹いていたこと
もちろん俺のゲストハウスにもイスラエル人はたくさん宿泊しており、それぞれのコミュニティのようなものが出来上がっている。そして俺の向かいの部屋に長期滞在しているイスラエル人女子がフルートを気に入って、あちこちのイスラエル人コミュにアジア人でフルート吹いている奴がいると言いふらして周ったらしい
お陰でその日以来、ちょくちょくいろんなコミュに呼ばれては酒を飲んだりギターとセッションしたり、イスラエルの変わった文化を教えてもらったりと穏やかなナイトライフがスタートした。演奏すると彼らは必ず見返りにビールを1本くらいはご馳走してくれるので、俺もそれらのコミュに毎晩参加するのを楽しんでいた
そんな経緯もあり、昼間でも道路を歩いていると知らない白人に話しかけられたり、パーティー誘われたりとダイビング以外の楽しみを見出していった
昼間はダイビングが終わった後はよくインストラクターのザンの家に遊びに行ってた
彼女の家に行くと必ず日本のアニメを見せられる。日本人の俺ですら知らないようなアニメばかり。
そして絶え間なく誰かが(ほとんどイスラエル人)が遊びに来る
時間も決めず適当に遊びに行って、誰かが適当にいて、帰りたくなったら適当に帰る。中学生や高校生の頃、溜り場になってた友達の家を思い出す。誰でも学生時代こういう経験があったのではないだろうか
中学生の頃は男同士変な意地やプライドがあるから、友達の家に知らない奴が来ると、みんな会釈だけして喋ろうとしなかった
こいつは俺より年上なのだろうか?年上だったら敬語を使わないといけないな、でももし年下だったら、敬語なんて使ってる俺がこいつにビビッてるみたいじゃないか・・・なんて今思うと噴出してしまいそうなくだらないプライドを皆それぞれ持っていたから、知らない奴とは積極的に関わろうとはしなかった
でも、英語には敬語なんて存在しないし、年上も年下もない、いくら年上でも馬鹿は馬鹿、それが欧米社会の考え方
だからザンの家では知らない奴がくると、皆笑顔で俺に手を差し出し、お互い軽く自己紹介をして、そのあと気が会えば話を続ける
英語は今でも大っ嫌いだけど、こうやって気軽にコミュニケーションをとれる所だけは好き
村上春樹を所持していたザン
こんな感じで昼間はダイビング、そのあとは日本アニメ鑑賞、夜はプチパーティーと、最初は一人でアイランドリゾートなんて楽しめるのだろうかと不安もあったががっつりと楽しんでいた
2週間の滞在の内の半分以上をハブロックで楽しんだ後、更に北に位置するロングアイランドに移動した。気に入らなかったら州都のポートブレアにとっとと戻ればいいし、気に入ればぎりぎりまで滞在すればいいと思っていた
そして結果的に俺は天国を発見した
島に着くと必ずと言っていいほどトゥクトゥクやタクシーといった乗り物が観光客を待ち構えているのだが、ここでは誰も俺の事を待っていない
フェリーに一緒に乗ってた乗客も殆どが島民のようで、到着すると皆迷わず真っ直ぐと家に帰るように自分達の目的地に散っていって、俺だけが港に取り残された
二手に分かれてた道を右手に曲がり少し歩くと観光管理局があったのでゲストハウスの場所を聞くと、外の青色の矢印をたどっていけと意味のわからない案内をされる
ためしに外に戻り矢印を探すと確かに地面に矢印が書いてある。そこでロンリープラネットを広げるとそこにも矢印を追っていくとこの島唯一のゲストハウスにたどり着くだろう書かれていた
矢印を追って歩くこと15分、そこにはブループラネットと大きく書かれた壁と小さな入り口が矢印の先にあり、そこの入り口から他にも赤と緑の矢印が始まっているようだった
壁の中に入ると大きな木を中心に囲むようにテーブルや椅子が並べてある中庭兼レストラン、そして更にその庭を囲むようにバナナの皮で拵えた可愛らしいコテージが立ち並んでいた
中にはハンモックや小さな本棚があり、のんびりするにはもってこい
コテージは一泊350ルピーと破格な価格設定の上、しっかりとファンもついているし、俺の好きなベッドのないジャパニーズスタイルの部屋だった
そしてここの泊り客はイングランド人4人のグループだけ。つまりこの島に現在滞在している観光客は俺を含めて5人だけ。宿のオーナーもイングランド人の年配の女性で、表の矢印は彼女のアイデアらしい。矢印の色事にそれぞれの目的地が設定されていて、地図が作られてないこの島に来る観光客のために考えたとの事
近くには綺麗なビーチもあり、少し足を延ばすと他のビーチやマングローブの林。村にはたった3つだけのレストランに小さな売店があるだけ。人口も恐らく100人もいないのではないだろうか?
昼間はハンモックに揺られながら本を読んだり映画をみたり、気が向いたらビーチに足を運ぶもよし、夕方は近くの寺でヨガに勤しむのよし。夜は仲良くなったイングランド人と酒を飲んでまったりと過ごす・・・
これこそ天国
こんな生活を続けてただけだから、特筆書くことも無いけど、この旅で訪れたアイランドリゾートの中で天国と呼べるのは唯一この島だけという事は確かである。あくまで俺にとってはだけど
滞在は4日しかできなかったけど、最後の最後でようやく自分の求めていた理想の島にたどり着けて満足
帰りはイングランド人と一緒になったので、最後の日はポートブレアで同じゲスハウスに泊まり、飲んでお約束のロンドンでの再開を誓って別れた
一つはハブロック島の観光客の殆どが白人で、さらにその白人の殆どがイスラエル人。だからただ一人の東アジア系は結構目立つ。
そしてもっとも大きな理由は俺が暇を見つけてはフルートを吹いていたこと
もちろん俺のゲストハウスにもイスラエル人はたくさん宿泊しており、それぞれのコミュニティのようなものが出来上がっている。そして俺の向かいの部屋に長期滞在しているイスラエル人女子がフルートを気に入って、あちこちのイスラエル人コミュにアジア人でフルート吹いている奴がいると言いふらして周ったらしい
お陰でその日以来、ちょくちょくいろんなコミュに呼ばれては酒を飲んだりギターとセッションしたり、イスラエルの変わった文化を教えてもらったりと穏やかなナイトライフがスタートした。演奏すると彼らは必ず見返りにビールを1本くらいはご馳走してくれるので、俺もそれらのコミュに毎晩参加するのを楽しんでいた
そんな経緯もあり、昼間でも道路を歩いていると知らない白人に話しかけられたり、パーティー誘われたりとダイビング以外の楽しみを見出していった
昼間はダイビングが終わった後はよくインストラクターのザンの家に遊びに行ってた
彼女の家に行くと必ず日本のアニメを見せられる。日本人の俺ですら知らないようなアニメばかり。
そして絶え間なく誰かが(ほとんどイスラエル人)が遊びに来る
時間も決めず適当に遊びに行って、誰かが適当にいて、帰りたくなったら適当に帰る。中学生や高校生の頃、溜り場になってた友達の家を思い出す。誰でも学生時代こういう経験があったのではないだろうか
中学生の頃は男同士変な意地やプライドがあるから、友達の家に知らない奴が来ると、みんな会釈だけして喋ろうとしなかった
こいつは俺より年上なのだろうか?年上だったら敬語を使わないといけないな、でももし年下だったら、敬語なんて使ってる俺がこいつにビビッてるみたいじゃないか・・・なんて今思うと噴出してしまいそうなくだらないプライドを皆それぞれ持っていたから、知らない奴とは積極的に関わろうとはしなかった
でも、英語には敬語なんて存在しないし、年上も年下もない、いくら年上でも馬鹿は馬鹿、それが欧米社会の考え方
だからザンの家では知らない奴がくると、皆笑顔で俺に手を差し出し、お互い軽く自己紹介をして、そのあと気が会えば話を続ける
英語は今でも大っ嫌いだけど、こうやって気軽にコミュニケーションをとれる所だけは好き
村上春樹を所持していたザン
こんな感じで昼間はダイビング、そのあとは日本アニメ鑑賞、夜はプチパーティーと、最初は一人でアイランドリゾートなんて楽しめるのだろうかと不安もあったががっつりと楽しんでいた
2週間の滞在の内の半分以上をハブロックで楽しんだ後、更に北に位置するロングアイランドに移動した。気に入らなかったら州都のポートブレアにとっとと戻ればいいし、気に入ればぎりぎりまで滞在すればいいと思っていた
そして結果的に俺は天国を発見した
島に着くと必ずと言っていいほどトゥクトゥクやタクシーといった乗り物が観光客を待ち構えているのだが、ここでは誰も俺の事を待っていない
フェリーに一緒に乗ってた乗客も殆どが島民のようで、到着すると皆迷わず真っ直ぐと家に帰るように自分達の目的地に散っていって、俺だけが港に取り残された
二手に分かれてた道を右手に曲がり少し歩くと観光管理局があったのでゲストハウスの場所を聞くと、外の青色の矢印をたどっていけと意味のわからない案内をされる
ためしに外に戻り矢印を探すと確かに地面に矢印が書いてある。そこでロンリープラネットを広げるとそこにも矢印を追っていくとこの島唯一のゲストハウスにたどり着くだろう書かれていた
矢印を追って歩くこと15分、そこにはブループラネットと大きく書かれた壁と小さな入り口が矢印の先にあり、そこの入り口から他にも赤と緑の矢印が始まっているようだった
壁の中に入ると大きな木を中心に囲むようにテーブルや椅子が並べてある中庭兼レストラン、そして更にその庭を囲むようにバナナの皮で拵えた可愛らしいコテージが立ち並んでいた
中にはハンモックや小さな本棚があり、のんびりするにはもってこい
コテージは一泊350ルピーと破格な価格設定の上、しっかりとファンもついているし、俺の好きなベッドのないジャパニーズスタイルの部屋だった
そしてここの泊り客はイングランド人4人のグループだけ。つまりこの島に現在滞在している観光客は俺を含めて5人だけ。宿のオーナーもイングランド人の年配の女性で、表の矢印は彼女のアイデアらしい。矢印の色事にそれぞれの目的地が設定されていて、地図が作られてないこの島に来る観光客のために考えたとの事
近くには綺麗なビーチもあり、少し足を延ばすと他のビーチやマングローブの林。村にはたった3つだけのレストランに小さな売店があるだけ。人口も恐らく100人もいないのではないだろうか?
昼間はハンモックに揺られながら本を読んだり映画をみたり、気が向いたらビーチに足を運ぶもよし、夕方は近くの寺でヨガに勤しむのよし。夜は仲良くなったイングランド人と酒を飲んでまったりと過ごす・・・
これこそ天国
こんな生活を続けてただけだから、特筆書くことも無いけど、この旅で訪れたアイランドリゾートの中で天国と呼べるのは唯一この島だけという事は確かである。あくまで俺にとってはだけど
滞在は4日しかできなかったけど、最後の最後でようやく自分の求めていた理想の島にたどり着けて満足
帰りはイングランド人と一緒になったので、最後の日はポートブレアで同じゲスハウスに泊まり、飲んでお約束のロンドンでの再開を誓って別れた
0 件のコメント:
コメントを投稿