コーチンはケララ州に広がる広大な水郷地帯の北端に位置し、天然の入り江や湖に恵まれた湾は一つ一つが青い水溜りに見えなくも無い
この地は古くからポルトガルやUkの植民地として潤い、今でもかつての植民地跡独特の雰囲気を残す。カラフルな石造りの建物にはめ込み式の窓、ドミノのようにきちんと整備された道路、この文化の香り漂うお洒落な町では、インドを4ヶ月以上旅してインド色に染まった自分にはなんだか街が、自分を拒んでいるようによそよそしく見えてしまう
さて、この街の移動は少々ややこしくて、そもそもがケララの州都という事で街自体が中々大きいのに加えて、中心地のエルナクラムエリア以外は全てフェリー移動が必要となる離島にある
地区は大きく分けて3つあり、インド内地にあるエルナクラム、その隣にある謎の島、そしてさらにその奥にあるフォートコーチンエリア。観光資源の殆どはこのフォートコーチンエリアに集中してて、必然的にゲストハウスやバーなどもこの地区に集中してる
もちらろん俺たちもそこを目指すことになったんだけど、朝からまたベノとのバトルを楽しまなくてはいけなかった
フォートコーチンに行くにはまずは港に向かいそこからフェリーに乗らなくてはならなかった。駅からフェリーまでの距離が2キロ程度だったので俺が歩く事を提案したら、ポールはどっちでもいいと言い、ベノがまたわけのわからない事をぼやき始める
俺「近いから歩きたいんだけど、それでいいか?」ベノ「いやヒデよく考えてみてくれ、俺たちは荷物があるんだぞ、なければ楽勝だけど今はきついだろ」
俺「じゃあベノは歩けないんだな?」ベノ「いや歩けないとはいってないよ、でも君はわかってないよ。みろこの温度、立ってるだけでも汗が滴ってくるじゃないか。必ず途中でバテルぞ」
俺「俺はなれてるから楽勝だよ、いつも歩いてるし。でもベノが歩きたくないならリキシャに乗ろうよ」ベノ「いや、歩きたくないとはいってない。ただ途中で必ずバテって言ってるだけだよ」
俺「ベノ!!お前は歩きたいのか嫌なのか?どっちだ?頼むから話をややこしくするな、yesかnoだけで答えろ。お前に従うから」ベノ「いや、だから嫌ではないよ。皆が歩きたいなら歩くよ」
俺「OK 答えはYESなんだな?よし歩こう!」と、言った瞬間にベノの顔が今にも豪雨になりそうな程曇った。・・・・・・なんて面倒くさい男だ
俺「OK ポール!!リキシャを拾うぞ!!」 「了解!!」やっと終わったかというようにポールは元気に返事を返す
ベノは何か言いたそうだったが俺が無理やりさえぎり何も言わせなかった
たった2キロの移動で、しかも移動する前のこの一晩中うねる大波に揉まれていた様な心身の疲労感は一体なんなんでしょうか!?
リキシャをひろい港まで5分。船に乗るときも買ったチケットがなぜか既に発車したフェリーの物で、ここでもベノの屁理屈攻撃が炸裂
でも、今度は俺にではなく港のスタッフに。さすがのインド人もベノの屁理屈攻撃は堪えたのか、無効になったチケットのまま船に乗る事ができた。この時だけはグッジョブである
ひたひたと無限に波打つ大海原をフェリーは小さな島を巡りながら、フォートコーチンを目指していく。フェリーの乗客は殆どがインド人で、恐らく地元の人たちの島間の移動の普段の足として使われているのだろう
フォートコーチンに着くとまずゲストハウスを探すわけだけど、今回は港から近くても口は出さずに黙ってリキシャに乗った。これ以上今日はベノの屁理屈に耐えられそうに無かったからだ
リキシャにゲストハウスがかたまってる地域まで連れて行ってもらい、降りようとするとゲストハウスを紹介したいと言って来る
もちろんコミッション狙いなのは明確なので断ろうとすると、ベノが勝手にお願いしてるし
俺「ベノ!!余計なことするな!!そんなの必要ないだろ?俺たちだけで探すぞ!!」ベノ「折角彼が探してくれるって言ってんだからお願いしようよ。ここは知らない土地なんだし」
俺「ベノ!!お前はアホ~か?そんなのコミッション狙いに決まってんだろ!!あいつの紹介する宿に行ったらこっそり宿代に上乗せされて紹介料取られるんだよ。ここはそういうこすい国なんだよ。頼むから面倒なことしないでくれ」ベノ「俺はそうは思わない」 ・・・何を根拠に・・・・
俺「おいポール あのアホを何とかしてくれ。俺は彼の暴走をこれ以上止める自身がないよ。でもコミッションは払いたくない」ポール「なんともならんな。でも俺もコミッションを払いたくないと言うところでは意見は同じだ」
俺「よし決まりだ。あいつは放置して俺たちだけでゲストハウス探すぞ」と、言ってリキシャにとっとと金を払い、まだリキシャと話しているベノを放置して俺たちは勝手に歩き始めた
手ごろなゲストハウスは簡単に見つかった。俺たちは基本的に長距離移動の後はビールで無事到着のお祝いの乾杯をするんだけど、この日はベノのお陰でずた袋のようにボロボロに疲れていたので、腹いせにインドでは高額な700ルピーのロブスターを頼んで一人で食ってやった
夕陽を写し込んだ海が、粉々に砕けたガラスのようにぎらぎらと夕陽を反射している。その砕けたガラスと同じ数くらいのインド人。小さな波が水際を弄んでいるらしく、長い線が白羽のように光っては消える夕方のインドのビーチ
この地域伝統の漁法チャイニーズフィッシングネット
石をぶら下げた綱の重みでネットを引き上げるからくりは圧巻だが、今では完全にただの観光ように成り下がっている模様だった
かつてのコロニアルな雰囲気が漂う石畳の連なるこのエリアも、今ではただお土産屋が軒を連ねているだけの観光エリア
俺たちは特に特別なこともしなく、この街では皆がやっているように、普通に観光を楽しみました
あれ以来ベノも大人しくなり、ストレスを溜めることなく数日観光を楽しんだ後、次の街へと向った
この地は古くからポルトガルやUkの植民地として潤い、今でもかつての植民地跡独特の雰囲気を残す。カラフルな石造りの建物にはめ込み式の窓、ドミノのようにきちんと整備された道路、この文化の香り漂うお洒落な町では、インドを4ヶ月以上旅してインド色に染まった自分にはなんだか街が、自分を拒んでいるようによそよそしく見えてしまう
さて、この街の移動は少々ややこしくて、そもそもがケララの州都という事で街自体が中々大きいのに加えて、中心地のエルナクラムエリア以外は全てフェリー移動が必要となる離島にある
地区は大きく分けて3つあり、インド内地にあるエルナクラム、その隣にある謎の島、そしてさらにその奥にあるフォートコーチンエリア。観光資源の殆どはこのフォートコーチンエリアに集中してて、必然的にゲストハウスやバーなどもこの地区に集中してる
もちらろん俺たちもそこを目指すことになったんだけど、朝からまたベノとのバトルを楽しまなくてはいけなかった
フォートコーチンに行くにはまずは港に向かいそこからフェリーに乗らなくてはならなかった。駅からフェリーまでの距離が2キロ程度だったので俺が歩く事を提案したら、ポールはどっちでもいいと言い、ベノがまたわけのわからない事をぼやき始める
俺「近いから歩きたいんだけど、それでいいか?」ベノ「いやヒデよく考えてみてくれ、俺たちは荷物があるんだぞ、なければ楽勝だけど今はきついだろ」
俺「じゃあベノは歩けないんだな?」ベノ「いや歩けないとはいってないよ、でも君はわかってないよ。みろこの温度、立ってるだけでも汗が滴ってくるじゃないか。必ず途中でバテルぞ」
俺「俺はなれてるから楽勝だよ、いつも歩いてるし。でもベノが歩きたくないならリキシャに乗ろうよ」ベノ「いや、歩きたくないとはいってない。ただ途中で必ずバテって言ってるだけだよ」
俺「ベノ!!お前は歩きたいのか嫌なのか?どっちだ?頼むから話をややこしくするな、yesかnoだけで答えろ。お前に従うから」ベノ「いや、だから嫌ではないよ。皆が歩きたいなら歩くよ」
俺「OK 答えはYESなんだな?よし歩こう!」と、言った瞬間にベノの顔が今にも豪雨になりそうな程曇った。・・・・・・なんて面倒くさい男だ
俺「OK ポール!!リキシャを拾うぞ!!」 「了解!!」やっと終わったかというようにポールは元気に返事を返す
ベノは何か言いたそうだったが俺が無理やりさえぎり何も言わせなかった
たった2キロの移動で、しかも移動する前のこの一晩中うねる大波に揉まれていた様な心身の疲労感は一体なんなんでしょうか!?
リキシャをひろい港まで5分。船に乗るときも買ったチケットがなぜか既に発車したフェリーの物で、ここでもベノの屁理屈攻撃が炸裂
でも、今度は俺にではなく港のスタッフに。さすがのインド人もベノの屁理屈攻撃は堪えたのか、無効になったチケットのまま船に乗る事ができた。この時だけはグッジョブである
ひたひたと無限に波打つ大海原をフェリーは小さな島を巡りながら、フォートコーチンを目指していく。フェリーの乗客は殆どがインド人で、恐らく地元の人たちの島間の移動の普段の足として使われているのだろう
フォートコーチンに着くとまずゲストハウスを探すわけだけど、今回は港から近くても口は出さずに黙ってリキシャに乗った。これ以上今日はベノの屁理屈に耐えられそうに無かったからだ
リキシャにゲストハウスがかたまってる地域まで連れて行ってもらい、降りようとするとゲストハウスを紹介したいと言って来る
もちろんコミッション狙いなのは明確なので断ろうとすると、ベノが勝手にお願いしてるし
俺「ベノ!!余計なことするな!!そんなの必要ないだろ?俺たちだけで探すぞ!!」ベノ「折角彼が探してくれるって言ってんだからお願いしようよ。ここは知らない土地なんだし」
俺「ベノ!!お前はアホ~か?そんなのコミッション狙いに決まってんだろ!!あいつの紹介する宿に行ったらこっそり宿代に上乗せされて紹介料取られるんだよ。ここはそういうこすい国なんだよ。頼むから面倒なことしないでくれ」ベノ「俺はそうは思わない」 ・・・何を根拠に・・・・
俺「おいポール あのアホを何とかしてくれ。俺は彼の暴走をこれ以上止める自身がないよ。でもコミッションは払いたくない」ポール「なんともならんな。でも俺もコミッションを払いたくないと言うところでは意見は同じだ」
俺「よし決まりだ。あいつは放置して俺たちだけでゲストハウス探すぞ」と、言ってリキシャにとっとと金を払い、まだリキシャと話しているベノを放置して俺たちは勝手に歩き始めた
手ごろなゲストハウスは簡単に見つかった。俺たちは基本的に長距離移動の後はビールで無事到着のお祝いの乾杯をするんだけど、この日はベノのお陰でずた袋のようにボロボロに疲れていたので、腹いせにインドでは高額な700ルピーのロブスターを頼んで一人で食ってやった
夕陽を写し込んだ海が、粉々に砕けたガラスのようにぎらぎらと夕陽を反射している。その砕けたガラスと同じ数くらいのインド人。小さな波が水際を弄んでいるらしく、長い線が白羽のように光っては消える夕方のインドのビーチ
この地域伝統の漁法チャイニーズフィッシングネット
石をぶら下げた綱の重みでネットを引き上げるからくりは圧巻だが、今では完全にただの観光ように成り下がっている模様だった
かつてのコロニアルな雰囲気が漂う石畳の連なるこのエリアも、今ではただお土産屋が軒を連ねているだけの観光エリア
俺たちは特に特別なこともしなく、この街では皆がやっているように、普通に観光を楽しみました
あれ以来ベノも大人しくなり、ストレスを溜めることなく数日観光を楽しんだ後、次の街へと向った