2014年3月5日水曜日

ハンピで談話

久しぶりの日記。。。この日記は多分3ヶ月ほど前のものになります・・・・

今は香港で優雅な生活を送っています。でもなんだか刺激が不足してます


朝早く寝坊したポールを叩き起こしてバス停に向った。二日連続でバスを逃すのは御免だった

ハイデラバッドからハンピの入り口の町までバスで12時間とインドにしてはそんなに遠くは無い、たったの400キロ

バスの中で新しいシスターができたポール君

わずか2時間の間に派手な事故を2度も目撃

着くころには俺もポールも一日中バスの中で体育座りしていたのでぐったり、到着間近になると着いたら最高のビールで乾杯しようって盛り上がってたのに、ハンピ自体が厳格な聖地のため肉や酒を手に入れることができずに意気消沈

ハンピ村に着くと既に真暗でゲストハウスを探すのもめんどくさかったので、前の宿で日本人に教えてもらった宿を探すことにしたが、村が狭いためすぐ見つかった

2人でたったの200ルピー。部屋は狭く貧乏大学生の下宿先のようだった。この時期でこの価格は破格だったため泊まる事にしたんだけど、宿が日本人宿だったため次の日にチェックアウトする事になった。

次の日はもっぱらゲストハウスを探すのに時間を費やしたが、なかなかポールが嵌るゲストハウスはみつからない

足が納まらないが我慢してもらうしかないです


 年末年始で列車やバスのチケットが取りにくく移動が困難になるため、自然とハンピでの滞在は長期に及んでいった

そのため観光も一気に周る事もできたけど、いそがず一日一つずつゆっくりこなしていった


 郊外の遺跡を周ったり



 村の寺院を訪れたり

朝と夕方は毎日2人でヨガとメディテーション


 俺はいつも欧米人と行動するときは昼間は一人で観光して、夜だけ一緒に飯を食う事が多かったんだけど、ポールはなぜか俺の行くとこについて来るので、殆どの時間を一緒に過ごしていた

なかでも面白かったのが毎晩夕食時に行われる難しい話

実は俺もポールも英語を勉強したくて、なるべく外人と行動するようにしていたのだ。だからちょうどいいコンビじゃないかという事で、長い間旅をする事になったのだ

だから話の内容も普段話しなれた内容は避け、少し難しめの話をするようにしていた

そして俺は前からドイツ人に聞いてみたかった事があったが、初対面で話すような話でもないので聞けずにいたことがあったのだ

「じゃあヒトラーの事を聞いてもいい?ドイツ人はそういう話を嫌がるって聞いたからいままで避けてたんだけど」「なんでも聞いてくれ、そんな事気にするドイツ人はいないよ。ただ、前にインド人にいきなりハイルヒトラー!!って敬礼されたことがあったけど、あの時はリアクションに困ったよ」

「じゃあヒトラーの事をドイツ人はどう思ってるの?日本では、確かに歴史的大罪を犯した人物として認知されてるけど、その一方で人を魅了する力や演説の上手さ、頭のきれ具合とか一定の高い評価を受けてるんだ。でもドイツではナチスに関する表現を完全に封印して、それをみだらに公にさらす者には刑罰まで下される法律があるみたいだから。もしかしたら認識の違いがあるんじゃないかと思って」 「ドイツではただの馬鹿 愚か者 それ以外形容のしようがないよ。ただ、一部のクレイジーな連中が未だにヒトラーを崇拝してるけどね」

「ネオナチの事?」「イグザクトリー!!あいつらは頭がおかしくて、アメリカ人見つけたら喧嘩を売りに行くんだ。でも、日本人は大丈夫だよ、二次大戦のときに一緒に戦ったからね」俺「そんなもん?面白いね」

「じゃあさ、日本の戦争責任者は当時の天皇陛下でドイツはヒトラーという事になると思うんだけど。日本では力は失ったものの未だに天皇陛下が存在して、ドイツのヒトラーはもういないよね。一応自殺とか亡命とかいろんな説があるけど、もし生きてたとしても今のドイツを見てる限りだと絶対に排斥されてたはずだよね?この違いは何故かな?もちろん当時の天皇陛下は軍のただの操り人形だったのかも知れないけど、一応公の戦争責任者だったんだから、完全に排斥されててもいいはずなのに」

ポール「それは俺たちドイツ人と日本人が追った傷の違いだよ」「傷の違い?日本人は恐らく原爆と東京大空襲が最大の傷だけど、ドイツとの違いって何?」

「それはやったものとやられたものの違いだよ」「ああ!!なんとなく君の言いたい事がわかってきたよ、続けて」

ポール「ナチス最大の失態は君もしってるよね?」「ユダヤ人虐殺のことだろ?」

「そう。他にも戦争が終わった後ドイツは様々な困難に見合うことになるんだけど、それは全部やられたことなんだ。受身なんだよ。でもユダヤ人の虐殺はやった事なんだ。想像できるかい?ヒトラーの命令でやりたくもない虐殺を無理やりさせられた人たちの気持ちが?俺たちは自分達自身の手でとんでもない事をいけないとわかっていながらやってしまったんだ。だからこそ必死でその血で染めた手を綺麗にするためにナチスを忌み嫌い完全に排斥しようとしたんだよ。それが君達の国との違いさ」 

俺「なるほど。確かに原爆も東京大空襲も受身だね。受けた傷の種類が違うという意見も頷けるよ」

ポール「受けた傷の種類が違えば、その後の展開も変わってくるってことさ」

俺「まるで昔のUKとフランスみたいだね。フランスは革命で王様を殺して、UKは一応権力だけ奪って、シンボルとして残した。その結果二つの国から同じ三権分立を根幹としながらも大統領制と議院内閣制という2大統制システムが生まれた」

ポール「ははは その例えも面白いね」

英語で道を尋ねるのがやっとだった一年前ではこんな内容の話しなんてできなかったし、しようとも今まで思わなかった。だけど、してみると以外にできるもので、しかも凄く面白い

ポールもこんな話を外人と英語でしたのは初めてで面白かったらしく、その後も俺たちは毎晩テーマを一つ決めて、辞書を片手に真面目な話を何時間も続けた

そして大分暮れが近づいてきていた。。。。



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