高度を上げるにつれ車内の気温はどんどん下がってくる。この中で半そでのままの奴なんて俺くらいなものだ。着る物はジープのルーフに括り付けられた荷物の中だし。下手こいた
蛇のとぐろの様な山道を容赦なく上がっていくので車酔いしてゲロはく奴もでてくる。だから寒くても窓は開けっ放し。
山には時折段々畑が広がっており、いつもとは違い背の低い木が広がっている。いちいち説明されるまでもなくそれは茶畑だとわかる。なぜなら俺のジープはダージリンに向って山を上っているのだから
いつもと違うのはそれだけではない。人の顔。ジープに乗っている客は全員インド人なのだが、色がインド人ほど黒くないし、顔が日本人みたいな顔した奴もいる。
話してみてもインド人独特の馴れ馴れしさやフレンドリーさがない。全体的に落ち着いていて、親切ではあるのだが過剰ではない、まるで日本人みたいだ
それもそのはずダージリンはネパールやブータン、チベットとの国境が近くそれぞれの文化が流れ込んできて、人の血も文化もミックスされているのだ
それでも肌の色が変わるだけでここまで違うのかと驚かずにはいられなかった。もうイライラしなくて済みそうだと、到着前のジープの中からすっかりいろんな事に期待胸を膨らませていた
シリグリからダージリンに向う中、ジープの走る隣を一本の電車のレールがずっと併走してついて来る。これはヒマラヤトイトレインと言って、蒸気機関車のレール。ちょっと前まではシリグリ駅からダージリンまでの7時間の旅を蒸気機関車に乗って楽しむことができたのだ。一応世界遺産に登録されているらしい
ちなみに乗り合いジープだと2時間半程度で、トイトレインは完全に観光用の乗り物。しかも今では数年前に落石で運休停止になってから復興の目処が立ってないらしく、一部期間でしか運行されていない
その証拠に出発地点のシリグリ付近では線路が完全に泥やゴミに埋もれてどう見ても電車が走れる状況には見えなかった
ダージリンはユナイテッドキングダムの植民地時代に避暑地として栄えた町らしく、向う途中にも山の斜面に段々になって栄えてる巨大な街が突如として出現する
丁度下校時間だったのか、路肩には制服姿の学生の集団が歩いている。他の北インドと違って教育が広く行き渡っているのかもしれない。あまり貧乏臭さも感じない
ジープがダージリンに到着したら自分の持っている着る物を急いで取り出して着たがそれでも足りない。ニュージーランドで買ったダウンを持っていたのだが、袖がない
なぜあの時金をケチってダウンジャケットじゃなくてダウンベストを買ってしまったのか、昔の自分をこの日ほど呪った事はない
背中を猫の様に丸めて目星をつけてある安宿街に向う
寒さはあっという間に解決した。ダージリンは山の斜面に段々畑の様に栄えている街だ。横の移動は楽だが縦の移動はバックパックを背負っているときはこたえる。あっという間に体は暖まり、汗がにじみ出てきた
時間はまだ7時だというのに、殆どの宿のレセプションが閉まっていたり、フルだったりでなかなか決まらない
結局リシュケシュで知り合った日本人家族が滞在している宿に落ち着いた
なんと言ってもここの宿の素晴らしいところは、外の温度と中の温度が同じ所だ。夜なんて寒すぎて布団の下に手持ちの寝袋を重ねないと眠れない寒さ
洗濯物も乾かない。3日も干せば乾くと聞いていたのだが、なぜか俺の部屋だけ乾かない。速乾性のタオルですら3日干しても濡れたまま。他の洗濯物はむしろ干した時より水分含んでんじゃないかってくらいぐしょぐしょのまま
これは近日中に何か対策が必要だ
宿からの景色。晴れていればヒマラヤ山脈が見渡せる
次の日早速買い物。もちろん暖かいお召し物だ。
アウトドアショップでアウターを2500ルピーで買う。ノースフェイスなどのブランドジャケットも2000~3000ルピーで売っていて、日本に比べると大分安い
インナーはマーケットで買い揃え数百ルピー。ここまで買い物して思ったが、ぼったくられてる様子は全くない。その分値引きにもあまり期待はできないが、買い物するたびに値引き交渉をしなくて済むのは楽でいい
値引き交渉が好きな人もいる。気持ちは分かるが俺には理解できない。結局どんなに頑張って値下げ交渉したところで通常の価格より安くなる事はない。ただ値下げ幅が大きいと凄く頑張ったような気がするし、その分安く買ったような気になる。だったら最初から通常の価格で買えた方が楽だろう
そしてメインの買い物。
それはもちろん紅茶である
日本で紅茶を買うときは大体インターネットで注文して買っていたんだけど、その際には銘柄で注文するのだ。銘柄と言うのは茶園の名前
ダージリンティーといっても茶園 グレード 摘む時期によって全く値段もテイストも違う
高ければ美味と言う訳でも無いし、安いからと言って不味いわけでもない。どちらかと言うとその人の好みがしめるところが大きい
俺が日本でよく飲んでて覚えてた銘柄 マーガレットホープにキャッスルトン
ダージリンは大きな街ではないが買い物には困らない
段々畑のような街の一番下にはメイン通りを挟んで大きなマーケット、中段にはツーリスティックな小物売り店にレストラン、この中に紅茶専門店もクローバーの中に潜む四葉のクローバーの様に紛れているのだ
店によって趣が異なり、適当な詰め合わせを売っているショップや、茶園ごとに別れていたりするマニアックな店
キャッスルトンやマーガレットホープのような日本に頻繁に輸入されている銘柄は探すのに手間取らない。たとえ入ったショップで扱ってなくても、聞けば教えてくれる。この辺が他のインドと違うところ。北インドの真ん中辺りなら、騙して売ろうとするか、不貞腐れて知らないと言われるかのどちらかだろう
教えてもらった店に行くと、双方の銘柄が見つかり値段を聞くと100グラムで400(700円)ルピー程度。日本で100グラム買うと4000~5000円程度 思ったとおり低価格
ちなみにこの店は日本人にも固定客がいるらしく、中谷美紀もうちの顧客だと言っていたが、俺が誰?って聞くととても残念そうにうなだれていた。名前は聞いた事あるんだけど、顔が出てこない
紅茶には大きく分けるとファーストフラッシュ セカンドフラッシュ オートンの3つがあり、摘む時期によって呼び方が変わる
ファーストフラッシュは春摘みで、すこし青臭くフルーティーで甘いのが特徴。セカンドは夏摘みで、一般的に日本で紅茶として飲まれているのがこれ。オートンは秋摘みで一番濃厚らしいんだけど、俺はあまり飲んだことがないので分からない
そして一番高級な紅茶として扱われているのがシルバーチップと呼ばれるもの。摘む時期はよくわからないんだけど、茶葉の先っちょの3つに別れてる新芽の部分だけを摘んで発酵させて作った希少価値の高い紅茶
つまりはその年の品評会で一番高い評価を得た茶園のシルバーチップが世界一高級な茶葉という事になるのではないだろうか?しかしながらそういう茶葉は全て輸出されてしまうので普通の方法ではダージリンで買えないらしい。俺は一度だけ日本で買ったことがあるけど、50グラムで8000円位だったかな?あっさりしすぎてて好みではなかった。恐らく二度と口にする事は無いだろう
自分の口に一番あう紅茶がキャッスルトンのファーストフラッシュ。しかし、この紅茶もそもそも春摘みで殆どが海外に輸出されてしまっているらしく、ダージリンで買えないという事が判明した
マーガレットホープはあったので、あとは店の人のお勧めで他のファーストフラッシュや飲んだことない銘柄などをいくつか買い揃え、結局トータルで600グラム近い紅茶を買っていた
使った金額は高々2000ルピーだが、インドの相場から考えるととんでもない浪費である。
しかし、この日のためにうざいインド人と毎日のように激しい口論を繰り返し、時には張り倒し、時には我慢して、またある時には頭を埃だらけにしてローカルバスに数十時間乗り続け、意味の分からない仏陀の足跡を追いかけたりして2ヶ月かけてここまで来たのだ
贅沢させろ!!
こうしてダージリンでのハッピーな浪費生活がスタートしたのであった
ちなみに仏陀の足跡を追う旅は完全に挫折しました。ナーランダーに向うバスを寝坊して乗り過ごした時点で心がツララのようにポッキリ折れ、地面に突き刺さったまま後にしたのであった。また機会があったら俺の心のツララを回収しに行くかもしれないけど、そのころには溶けてるだろうな~ 御免よCさん・・・この日記を見ていないことを祈るばかりである
ダージリンの街から歩いていける距離にハッピーバレーという茶園があって、無料で園内を見学できる
蛇のとぐろの様な山道を容赦なく上がっていくので車酔いしてゲロはく奴もでてくる。だから寒くても窓は開けっ放し。
山には時折段々畑が広がっており、いつもとは違い背の低い木が広がっている。いちいち説明されるまでもなくそれは茶畑だとわかる。なぜなら俺のジープはダージリンに向って山を上っているのだから
いつもと違うのはそれだけではない。人の顔。ジープに乗っている客は全員インド人なのだが、色がインド人ほど黒くないし、顔が日本人みたいな顔した奴もいる。
話してみてもインド人独特の馴れ馴れしさやフレンドリーさがない。全体的に落ち着いていて、親切ではあるのだが過剰ではない、まるで日本人みたいだ
それもそのはずダージリンはネパールやブータン、チベットとの国境が近くそれぞれの文化が流れ込んできて、人の血も文化もミックスされているのだ
それでも肌の色が変わるだけでここまで違うのかと驚かずにはいられなかった。もうイライラしなくて済みそうだと、到着前のジープの中からすっかりいろんな事に期待胸を膨らませていた
シリグリからダージリンに向う中、ジープの走る隣を一本の電車のレールがずっと併走してついて来る。これはヒマラヤトイトレインと言って、蒸気機関車のレール。ちょっと前まではシリグリ駅からダージリンまでの7時間の旅を蒸気機関車に乗って楽しむことができたのだ。一応世界遺産に登録されているらしい
ちなみに乗り合いジープだと2時間半程度で、トイトレインは完全に観光用の乗り物。しかも今では数年前に落石で運休停止になってから復興の目処が立ってないらしく、一部期間でしか運行されていない
その証拠に出発地点のシリグリ付近では線路が完全に泥やゴミに埋もれてどう見ても電車が走れる状況には見えなかった
ダージリンはユナイテッドキングダムの植民地時代に避暑地として栄えた町らしく、向う途中にも山の斜面に段々になって栄えてる巨大な街が突如として出現する
丁度下校時間だったのか、路肩には制服姿の学生の集団が歩いている。他の北インドと違って教育が広く行き渡っているのかもしれない。あまり貧乏臭さも感じない
ジープがダージリンに到着したら自分の持っている着る物を急いで取り出して着たがそれでも足りない。ニュージーランドで買ったダウンを持っていたのだが、袖がない
なぜあの時金をケチってダウンジャケットじゃなくてダウンベストを買ってしまったのか、昔の自分をこの日ほど呪った事はない
背中を猫の様に丸めて目星をつけてある安宿街に向う
寒さはあっという間に解決した。ダージリンは山の斜面に段々畑の様に栄えている街だ。横の移動は楽だが縦の移動はバックパックを背負っているときはこたえる。あっという間に体は暖まり、汗がにじみ出てきた
時間はまだ7時だというのに、殆どの宿のレセプションが閉まっていたり、フルだったりでなかなか決まらない
結局リシュケシュで知り合った日本人家族が滞在している宿に落ち着いた
なんと言ってもここの宿の素晴らしいところは、外の温度と中の温度が同じ所だ。夜なんて寒すぎて布団の下に手持ちの寝袋を重ねないと眠れない寒さ
洗濯物も乾かない。3日も干せば乾くと聞いていたのだが、なぜか俺の部屋だけ乾かない。速乾性のタオルですら3日干しても濡れたまま。他の洗濯物はむしろ干した時より水分含んでんじゃないかってくらいぐしょぐしょのまま
これは近日中に何か対策が必要だ
宿からの景色。晴れていればヒマラヤ山脈が見渡せる
次の日早速買い物。もちろん暖かいお召し物だ。
アウトドアショップでアウターを2500ルピーで買う。ノースフェイスなどのブランドジャケットも2000~3000ルピーで売っていて、日本に比べると大分安い
インナーはマーケットで買い揃え数百ルピー。ここまで買い物して思ったが、ぼったくられてる様子は全くない。その分値引きにもあまり期待はできないが、買い物するたびに値引き交渉をしなくて済むのは楽でいい
値引き交渉が好きな人もいる。気持ちは分かるが俺には理解できない。結局どんなに頑張って値下げ交渉したところで通常の価格より安くなる事はない。ただ値下げ幅が大きいと凄く頑張ったような気がするし、その分安く買ったような気になる。だったら最初から通常の価格で買えた方が楽だろう
そしてメインの買い物。
それはもちろん紅茶である
日本で紅茶を買うときは大体インターネットで注文して買っていたんだけど、その際には銘柄で注文するのだ。銘柄と言うのは茶園の名前
ダージリンティーといっても茶園 グレード 摘む時期によって全く値段もテイストも違う
高ければ美味と言う訳でも無いし、安いからと言って不味いわけでもない。どちらかと言うとその人の好みがしめるところが大きい
俺が日本でよく飲んでて覚えてた銘柄 マーガレットホープにキャッスルトン
ダージリンは大きな街ではないが買い物には困らない
段々畑のような街の一番下にはメイン通りを挟んで大きなマーケット、中段にはツーリスティックな小物売り店にレストラン、この中に紅茶専門店もクローバーの中に潜む四葉のクローバーの様に紛れているのだ
店によって趣が異なり、適当な詰め合わせを売っているショップや、茶園ごとに別れていたりするマニアックな店
キャッスルトンやマーガレットホープのような日本に頻繁に輸入されている銘柄は探すのに手間取らない。たとえ入ったショップで扱ってなくても、聞けば教えてくれる。この辺が他のインドと違うところ。北インドの真ん中辺りなら、騙して売ろうとするか、不貞腐れて知らないと言われるかのどちらかだろう
教えてもらった店に行くと、双方の銘柄が見つかり値段を聞くと100グラムで400(700円)ルピー程度。日本で100グラム買うと4000~5000円程度 思ったとおり低価格
ちなみにこの店は日本人にも固定客がいるらしく、中谷美紀もうちの顧客だと言っていたが、俺が誰?って聞くととても残念そうにうなだれていた。名前は聞いた事あるんだけど、顔が出てこない
紅茶には大きく分けるとファーストフラッシュ セカンドフラッシュ オートンの3つがあり、摘む時期によって呼び方が変わる
ファーストフラッシュは春摘みで、すこし青臭くフルーティーで甘いのが特徴。セカンドは夏摘みで、一般的に日本で紅茶として飲まれているのがこれ。オートンは秋摘みで一番濃厚らしいんだけど、俺はあまり飲んだことがないので分からない
そして一番高級な紅茶として扱われているのがシルバーチップと呼ばれるもの。摘む時期はよくわからないんだけど、茶葉の先っちょの3つに別れてる新芽の部分だけを摘んで発酵させて作った希少価値の高い紅茶
つまりはその年の品評会で一番高い評価を得た茶園のシルバーチップが世界一高級な茶葉という事になるのではないだろうか?しかしながらそういう茶葉は全て輸出されてしまうので普通の方法ではダージリンで買えないらしい。俺は一度だけ日本で買ったことがあるけど、50グラムで8000円位だったかな?あっさりしすぎてて好みではなかった。恐らく二度と口にする事は無いだろう
自分の口に一番あう紅茶がキャッスルトンのファーストフラッシュ。しかし、この紅茶もそもそも春摘みで殆どが海外に輸出されてしまっているらしく、ダージリンで買えないという事が判明した
マーガレットホープはあったので、あとは店の人のお勧めで他のファーストフラッシュや飲んだことない銘柄などをいくつか買い揃え、結局トータルで600グラム近い紅茶を買っていた
使った金額は高々2000ルピーだが、インドの相場から考えるととんでもない浪費である。
しかし、この日のためにうざいインド人と毎日のように激しい口論を繰り返し、時には張り倒し、時には我慢して、またある時には頭を埃だらけにしてローカルバスに数十時間乗り続け、意味の分からない仏陀の足跡を追いかけたりして2ヶ月かけてここまで来たのだ
贅沢させろ!!
こうしてダージリンでのハッピーな浪費生活がスタートしたのであった
ちなみに仏陀の足跡を追う旅は完全に挫折しました。ナーランダーに向うバスを寝坊して乗り過ごした時点で心がツララのようにポッキリ折れ、地面に突き刺さったまま後にしたのであった。また機会があったら俺の心のツララを回収しに行くかもしれないけど、そのころには溶けてるだろうな~ 御免よCさん・・・この日記を見ていないことを祈るばかりである
ダージリンの街から歩いていける距離にハッピーバレーという茶園があって、無料で園内を見学できる
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