2013年10月21日月曜日

騙す人 騙される人

「この町は歩くことが禁止されている」・・・俺「はい??」

俺は一瞬理解できなかった。そして隣に座っていたオッサンが屁をこいたんだけど、実は実弾が装填されていたというくらいの衝撃を受けた

二足通常歩行とは人類のみに許された、いわば人が人らしくあるための姿であり、人が通常の生活を健やかに送るのに一番必要とされている移動方法かつ運動である。そう、猿が二足で歩き始めた瞬間からホモサピエンスの歴史が始ったのだ

それがどうだろうか?この町は歩くことが禁止されているだって??何たることだろうか!!

この町は俺に人間辞めろって言ってるのか!!!

こんなエロい石造だらけなのに???

 エロはいいのに歩くの駄目なの??

「だから歩くことが禁止されているんだ、さあ俺のリキシャに乗れ」「俺は日本の某教団で空中浮遊の技を身に付けているから大丈夫だ」

「嘘をつくなお前」「お前こそ嘘つくな!!ボケ!!そこら辺インド人が歩きまくってるだろ!!ほら お前も今歩いた あ!!お前も歩いた」

「インド人はいいんだ、外国人が禁止されているんだ」「じゃあお手てとあんよではいはいしてきまちゅからリキシャは結構でしゅ」って余計時間掛かるわ!!ボケ!!っていうか間に受けるな!!俺!!!



「へい さー 歩くのは違反だぞー」「うっさいわ!!お前本当に歩けなくしてやろうか?右と左の靴紐かた結びしたろか??ああぁ??」


カジュラホのバス停に着いて、いつものごとくリキシャがよって来たので歩くと言って断ったら、こんな状況になったのである

普通は宿までは10キロあるから歩ける距離じゃないとか、強盗が出るとか、AKBのサイン会やっているから道が封鎖されているとか、最近ティラノサウルスが出現して大変危険とかもうちょっとマシな嘘つくもんだけど、こいつらは歩行が禁止と言い切った

久しぶりにリキシャまともに相手して疲れたわ!!!

カジュラホの町はエロ石造を祀ってる寺院が町を囲むように点在していて、その中でも東にかたまっている遺跡群は一応世界遺産に登録されているらしいのだ

それ故カジュラホは外国人特に日本人に人気の観光地らしい。しかし、俺が訪れた時期は丁度シーズンオフで日本人どころか白人ツーリストでさえほとんど見かけることは無かった


ホテルはうざいコミッションボーイを振り払って、250ルピー(380円)の宿をとった。少し高いけど、やっぱ広い部屋がよかったし、この部屋じゃないとWIFIが部屋まで届かないので妥協した

ホテルの泊り客はインド人が殆どで、他に韓国人と日本人が3人もいた

一人は日本語を教えに来ているという初老の男性で、カジュラホはこれで10回目今回の滞在は既に3ヶ月を経過しているのだとか

そして他の2人は大学の休みを利用してインドに来ている学生、いかにも頼り無さそうというか、俺がインド人なら間違いなく「ここは歩行が禁止されている」と嘘をついて無理やりリキシャに乗せてるところだ

そしてこの2人の話がとってもおもしろい

なんでもデリーに深夜に到着しタクシーを空港でつかまえたら、深夜のデリーをあちこち連れまわされた挙句、予約していたホテルには到着できず、タクシー運転手指定のホテルに無理やり宿泊させられたのだとか。予約していたホテルもアゴダを通して2泊予約してたので、2泊分の宿泊費が無駄になったのだとか・・・

その上、次の日は例のニューデリー駅で客引きに捕まり、有名なツアー会社の偽会社に連れていかれ、一人7万円のツアーを組まされたらしい

組まされたと書いたが、実際は本人達は相場を知らなかったとはいえ、一応自分で内容に納得して契約したらしい

内容はラジャスターン地区をジョードプルまで行って、そこからアーグラーに戻り、カジュラホをえてバラナシに行くというもの

ツアー料金に含まれるのは、ラジャスターン地区のタクシー代とホテル代、それ以降は電車で移動で、アグラーからバラナシまでの電車代のみ

これが高いかどうかはこれだけの材料では判断できない。ラジャスターン地区の移動は全てチャーターしたタクシーでどこでも連れて行ってもらったらしいし、ホテルも結構よかったとの話だったから

ちなみにラジャスターン地区をホテル代込みで電車を使っていって帰ってくるだけなら、多分5000円もあれば十分なんじゃないかな

でも彼らとしてはやはり騙された気分は拭えないらしい。途中であった旅行者にインドの相場を教えてもらい後悔していると言っていた

しかし、もし彼らが自分達でラジャスターン地区の旅程を自分達でアレンジしていたら、行く先々で騙されまくってもっとひどい目にあっていたんじゃないかと思わずにはいられない・・・

一応チャーターのタクシードライバーがガイドも兼ねていたので、ラジャスターン地区にいる時は、うざいインド人の攻撃を一切うけなかったらしいのだ。だから彼らは無事俺の目の前で笑顔でいられるんじゃないかな

この日も前日町中で話しかけてきたインド人と仲良くなって飲みに行って、 次の日町から20キロ離れた滝まで一緒に行く事になっているんですけど一緒にいきませんか?と、誘われたが、丁寧に断っておいた

滝に行く途中にそのインド人の家があって、そこでちょっと遊んでから滝に行く計画だと話してくれた

老婆心からか、一応忠告はしておいたが、大丈夫だと思います~との事だった

その日の夜に彼らの電車がバラナシへ向う予定だったのだが、彼らの姿をカジュラホを発つまでに見ることは無かった

俺 しーーらない!!

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